そして天使は闇へ堕ちる


☆ ☆ ☆


執務室にて仕事をこなすゼロを、ゾノは書類に顔を隠しながら見ていた


最近陛下の様子がおかしい


ゾノは一人、ここ数日の事を思い出していた


例えば―――…


あれはいつも通りに仕事をしていた日


あの一件の次の日からゼロは妙に時計を気にするようになった


何だかんだいって、ゾノが言うまで仕事をし続けるゼロ


いちいち時計なんて見てなかった


なのに、突然ゼロは18時になると手を止めて有無も言わさずに帰っていってしまった


それから他にもある


何時間かおきに手を止めて、何か物思いに耽るようになった


陛下。と、声をかければ、現実に戻されたゼロは、何事もなかったかのように仕事をまた再開させた


この繰り返しだ






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