そして天使は闇へ堕ちる


ふとリュリュカはここに連れてこられてからの事を思い返した


本当に目の回る毎日だった


捕まったり、追いかけられたり、妻だとか勝手に決められたり、襲われたり……


こういうゆったりとした時間は久しぶりだなぁ


とても落ち着くし、とても心地いい


「こういうゆったりとした時間っていいよね」


「どんな時間だ?」


「こうゆったりとお茶したりする時間ってリラックスできるでしょ?だからいいよねって言ったの」


「何も変わらないと思うがな」


「そうかしら?ならあなたは何だったら落ち着くの?」


「……落ち着くなんて感じた事すらない」


興味なさげに話すゼロを見て、リュリュカはこの男には色々と感情が欠けているのでは、と感じた

先程から話してみると、リュリュカはゼロから感情を感じ取れなかった


そういえばこの男から嬉しさや幸せの感情を感じたことがない




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