そして天使は闇へ堕ちる
娘よ、今どこに…
☆ ☆ ☆
――天界
「神様!神様どこにいらっしゃるのですか!」
内官は一時間近く神殿を走り回り、神を捜していた
「お前たち、神様をお見かけしたか?」
その場にいた女官らに声を掛け、神の行方を尋ねる
だがどの女官も首を横に振り、居場所がまったく分からなかった
「一体どこに行かれたのか!」
大きな神殿だが、一部の部下や兵士に頼んで、これだけ捜させても見つからない
どうしようかと困り果てていたとき、ずっと捜していた人物が正面から暗い顔つきで歩いてきた
「神様!」
急いで駆け寄り、神の様子を伺う
「一体どこに居られたのですか!いえ、いいのです。神様がご無事ならそれだけで十分です」
目の前に現れてくれたことに安堵し、肩を落として内官は瞳を潤ませる