そして天使は闇へ堕ちる
「内官殿……」
「これはケイン様」
不意に呼ばれ、振り返ると大天使の一人、ケインが立っていた
「内官殿、神様はどうでしかた?」
「どうとは?」
「実は、先程までリュリュカを捜していたんですが、手がかりが一つもなくて……」
「今日も捜しに出られていたのですか」
内官はまぶたを伏せる
神は大事な娘、リュリュカをずっと捜していた
「自分が悪いのです。自分がリュリュカを外に出したがら」
「ご自分を責めるのはお止めください。ケイン様の所為ではありません」
内官が優しく言い掛けるが、ケインは拳を強く握りしめ、怒りに震える