そして天使は闇へ堕ちる
「リュリュカはきっと悪魔界です。けど神様は他の界には入ることは出来ませんし、信じたくないんでしょう。悪魔界には目を向けません」
ケインは片手で顔を隠し、絶望的な瞳で俯く
「ケイン様、今日はもうお休みください。顔色もよろしくありません」
「もう駄目だ。悪魔界の空気は天使は毒です」
「ケイン様」
「もうリュリュカは堕天してるかもしれない」
「ケイン様!」
「それならまだいい。もしかしたら殺され……」
「ケイン様!!」
嫌な方へ想像を膨らませていくケインを、内官は遮るように名を呼んだ
名を呼ばれたケインは顔を上げて自分の発言を振り返った
「すみません、縁起でもない事を。……今日はもう休みます」
「その方がいいです。お休みください」
「すみません……」
深く頭を下げると、ケインはあどけない足取りで廊下を歩いていった