そして天使は闇へ堕ちる


内官はその後ろ姿を見送ると、真っ先に神の部屋へと赴く


その途中、内官は宮殿の静かさに寂しくなった


神様が、リュリュカ様がいる


それが当たり前だった


リュリュカ様はいつも笑顔で笑いかけてくれるいい子だ


リュリュカのいない宮殿は本当に静かだと思う内官


そして神の部屋の前に立ちノックし、遠慮がちに声を掛ける


「神様、おられますか?」


が、返事はない


「入ります」


扉を開くと、そっと部屋に入る


部屋は灯りも点けられてなく、真っ暗だった


「神様?」


手探りで壁を見つけて、それを伝ってカーテンを掴む


「開けますよ」


カーテンを開けて部屋に光を招き入れる




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