そして天使は闇へ堕ちる


「ご無事でおられると思います」


そう言うので精一杯だった


「あの子は泣いていないだろうか?」


「強い子です。大丈夫ですよ」


「あの子は辛い思いをしていないだろうか?」


「神様……」


内官はそっと神の背中を撫でた


「大丈夫ですよきっと。リュリュカ様を信じましょう?」


そう言うと、神は黙って頷いた


大丈夫ですよ。と、そう何度も言い、優しく背中を撫でていると、誰かがドアをノックした


「入れ」


神は短く言うと、ノックをした人物、一人の兵士が入ってきた


「ご報告にあがりました!」


ピシャリと身体を張って、力強く声をだす兵士


格好からして兵士は宮殿に使える兵で、主に宮殿内を見回る兵だった





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