そして天使は闇へ堕ちる
「陛下ぁぁぁ」
突如ひょこりと2人間に、ガスマスクを着用した何者かが顔を出した
「きやぁ!」
突然の登場にリュリュカはとても驚き、後ろへと椅子を引く
そして近くにあった本を掴む
「こないで!」
本を振りかざすと、ガスマスクの何者かが両腕を上げた
「落ち着いて王妃様!俺、俺だって!ザゾノア・フォルだ」
「え?ゾノさん?」
そっと本を下ろし、ゼロへと視線を移す
ゼロは特に驚いた様子はなく、ただ呆れた顔でゾノを見ていた
「はぁ、なんて格好をしてるんだお前は」
「いやぁ。きっと王妃様、ベールしてないだろうなって思って。だからこうして重装備で来たんじゃないかよ」
ガスマスクから聞こえる声は確かにゾノのものだった