そして天使は闇へ堕ちる
一人取り残されたリュリュカは、お菓子に手を伸ばす
チョコチップの乗ったクッキーを一枚取り、食べる
魔王、なんだか辛そうだった……
一体魔王に何があったの?
疑問だけが頭の中で溢れ出る
コンコンッ
不意に、悩んでいるリュリュカの耳に扉を叩く音が聞こえた
「ど、どうぞ」
返事をすると、遠慮がちにヴァイオレットが扉から顔を出した
「リュリュカ?」
「どうしたのヴァイオレット?」
「陛下とゾノ出て行っいたからどうしたのかなって思って」
「よくわかんない。視察の話をしたら魔王が怒り出して、それで出て行っちゃった」
リュリュカは先ほどのやり取りを思い出すが、何故あぁも怒ったのかは解らない