そして天使は闇へ堕ちる


「リュリュカのほうこそ仕事はどうした?」


「私はちゃんと仕事してます。今回は調べなきゃいけないことがあるから外に行くけどね」


「外にか……。なぁリュリュカ、一つ頼みたいことがあるのだがいいか?」


「……?うん。大丈夫だよ」


「……リュリュカ、綺麗な花を持ってきてくれるか?」


――花


不器用で飽きやすい彼が、唯一飽きずに育てている物


そして何より、彼は花を愛でることが好きだった

リュリュカがまだ宮殿で暮らしていた頃に、神はよく花を見せてくれた


相変わらず好きなのね






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