そして天使は闇へ堕ちる


「本当だ。確かに感じる」


ゾノはどうしたものかと戸惑っているが、ゼロは気にする様子もなく扉を静かに開く


すると、嗅いだことのない匂いが部屋中からした

甘く、優しい匂い


奥に行くにつれ、匂いは強くなる


そして見つけた


ソファーのそばで倒れている二人の女


「ゾノ……」


女が自分の部屋にいるということは、そこにいる男が犯人だと思ったゼロは、低い声で友人の名を呼ぶ


「待て待て!俺じゃない!さっき言っただろう!?」


首を横にぶんぶんと振って誤解を解こうとするが、ゼロは冷めた目で睨んで信じようとしない





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