そして天使は闇へ堕ちる
選ばれた妃
「なかなか似合っているぞ」
ゼロはリュリュカがドレスアップした姿を満足そうに見る
紫色で、胸元が大きく開いたドレス
ルビーのネックレスにルビーの指輪をリュリュカは身につけさせられた
そんなリュリュカの姿にゼロは満足そうだが、リュリュカは彼とは逆に、この姿に不満を持っていた
「胸元が開きすぎじゃないかしら……」
「悪魔界では普通だ。あとこれを着けておけ」
ゼロは持っていた黒いベールをリュリュカに手渡す
「えっと……。私まだ結婚していないんだけど」
「その金髪は悪魔界では珍しいからな。それを被っておけば目立たないはずだ」
「そうなんだ。ありが……」
リュリュカは我に返って手で口を覆う
うっかり悪魔にお礼を言うところだったわ
そもそも魔王が言い出さなかったらこのベールだってつける必要はなかったのよ……