そして天使は闇へ堕ちる


「ならこの悪魔界から出られないだけだ。……ゾノ、いるか?」


扉の方に向かってゼロがゾノを呼ぶと、扉は開いてゾノが現れた


「話は終わったか?」


「終わった。俺は今から支度をするからリュリュカを連れて先に夜会に行け」


「了解。あまり遅れるなよ。今日は陛下が主役なんだからよ」


「わかっている。早く行け」


「はいはい。じゃぁ姫さん?こちらに来てください」


ゾノは優しく微笑んでリュリュカに手を伸ばす


悪魔界に来て初めて悪魔に優しくされたリュリュカは、この男は悪魔なのかを疑った


そして悩みながらも差し出された手に手を乗せて、ゾノに着いていたのだった




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