そして天使は闇へ堕ちる


リュリュカはゾノに連れられて、広い一室に通された


ゆったりとした雰囲気の部屋に通され、リュリュカは胸を撫でおろす


だが部屋には青いドレスに、黒いベールの女が一人いた


女はリュリュカに気づき、手を広げて駆け寄ってきた


「リュリュカ!!」


「え?その声はヴァイオレット!?無事だったのね!」


ヴァイオレットがリュリュカを抱きしめる


それに応えるようにリュリュカもヴァイオレットを抱きしめる


「よかった。殺されたのかと思ったよ」


「私だって心配したよぉ。目が覚めたらリュリュカがいないんだもん」


互いに喜びを分かち合っていると、ゾノが咳払いをして二人の世界を簡単に壊す


「悪いが時間がないんだ。ヴァイオレット、リュリュカ。今から言うことをちゃんと聞けよ」


ゾノにビシッと指を差され、リュリュカたちは同時に首を縦に振った


「「はい!」」



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