そして天使は闇へ堕ちる
天使の情け


「夢じゃ……なかったのね」


リュリュカは身体を起こして昨日のことを思い浮かべる


悪魔に捕まったことも、魔王の妃になったことも、全部本当


「あれ?魔王がいない?」


確かに昨日は私の上で寝ていたのに


リュリュカはベッドから離れると、部屋を歩き回って魔王を捜す


「いなくてよかったぁ」

部屋にゼロがいないことを確認すると、安心してソファーに座る


テーブルには綺麗な大きな箱と、食事が置いてあった


そして小さなメモが一つ

"飯食って隣の部屋に来い"


そんな短文が書いてあった


「隣ってどっちの部屋よ」


一番重要な部分が抜けていることに対してリュリュカが笑っていると、ドアをノックする音が部屋に響く





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