そして天使は闇へ堕ちる
「……私に何の用なの?」
警戒心を解くことないリュリュカは、部屋の中にゆっくりと入る
すると部屋には、甘い彼女独特の香りが漂いだした
天使から甘い香りを漂わすことは珍しいことではない
しかし、ここまで甘く感じる芳香は二人は初めてだった
「限界だ!王妃様ストップ!さすがにもう無理」
ゾノは手を前に出してリュリュカに歩みを止めるように伝える
「えっ、ゾノさん?」
リュリュカはピタッと歩みを止め、一歩後ずさる
なにか粗相なことでもしてしまったのかしら……?