春となりを待つきみへ

ああ、そっか。


そうだね、ハルカ。



わたしはきみに、たくさん泣いてほしかった。

たくさん笑ってほしかった。


たくさんたくさん、ずっと、誰よりも、しあわせであってほしかった。



だって大切だから。


きみが、誰より、何より、地球で一番、大切だから。



きみが泣くなら抱き締めてあげる。

きみが笑うなら一緒に笑う。



きみがしあわせなら、わたしは、うれしい。




一緒だね。


ハルカもそうなんでしょう。



わたしが泣けてないと心配なんでしょ。


笑ってほしいと思うでしょ。



しあわせであってほしいって、心から、思うんでしょ。




ごめんね、ごめん、ハルカ。


わたしはまた、きみに心配をかけちゃったね。



わたしはまた、ひとりで道に迷ってた。


見つけにくい場所に居た。



暗いところでうずくまって、きみの名前を、呼んでいた。




きみは、いつだって、わたしのことを、探してくれていたんだね。


< 280 / 321 >

この作品をシェア

pagetop