春となりを待つきみへ
きみがそう言ったのは、いつのことだっただろうか。
嘘吐き。
なんて言おうと思ったって、届かないことはわかりきっている。
だって、もう、何度。
きみの名前を呼んだだろう。
何度、きみに会いたくて、ただ一つのその名前を呼んだだろう。
わたしは今も、何度も何度も、その名前を呼び続けている。
終わりにしたくなくて、終わらせたくなくて。
終わってしまったと、思いたくなくて。
何度も何度も、もう一度きみに届くまで。
その名前を、呼び続けている。