秘密な彼氏

Final Chapter

季節は12月になった。

「もうすぐクリスマスだねー」

美里が言った。

「あやめはもちろん、北川さんと過ごすんでしょう?」

そう聞いてきた美里に、
「まあね」

私は答えた。

あの隆志がクリスマスに仕事を入れるとは思えない。

「木村」

誰かが美里の名前を呼んだ。

「あ、中里くん」

美里がそう言ったので、
「えっ?」

私は訳がわからなかった。

中里くんは何故かこのクラスにいて、当たり前のように美里の隣にいた。

うん?

これは一体、どう言うことなのかしら?

「あれ、言ってなかった?」

美里はそう言って首を傾げた。
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