秘密な彼氏
唇を離したのと同時に、
「――ッ、はあっ…」

私は息を吐いた。

私、今すごいことをしたんだよね?

自分から隆志にキスしたのはまだしも、氷を入れてだなんて…。

恥ずかしさで顔が紅くなって行くのが自分でもよくわかった。

こんなの、ジャムの時以来だよね。

「チョコ食べる?」

そう言って、隆志は銀紙に包まれているチョコレートを見せてきた。

「――じゃあ、そうしよっかな」

そう言った私に、
「目を閉じて」

隆志が言った。

はっ?

意味がわからなかった。

チョコを食べるのと何の関係があるのだろう?

そう思いながら、言われた通りに目を閉じた。
< 131 / 170 >

この作品をシェア

pagetop