秘密な彼氏

Chapter1

春休みって、宿題がないからいいよねー。

ポカポカと温かくなった太陽の下を歩きながら、私はそんなことを思った。

けど、まだ季節は春の初めなので寒いと言えば寒い。

「美里、待ってるかなー」

そんなことを呟きながら、私は待ち合わせ場所へと足を向かわせた。

春休み初日の今日は美里と買い物に行く約束をしている。

隆志とは相も変わらずな同棲生活を送っている。

ヤキモチとエロなところは日に日に増して行っているのは…気のせいだと信じたい。

でも、相も変わらず順調に続けている方だと思う。

今日の美里と買い物の許可が下りるのは大変だったと言うのは、ここだけの秘密だ。

「――あれ?」

見覚えのある後ろ姿に、私の口から声がこぼれ落ちた。
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