秘密な彼氏
例えるとするなら“ナマズ”の上原さんと隆志がいとこ同士なんて、全然信じられない。

まあ、いとこだしなあ…。

顔が似てるなんて、兄弟じゃないからありえないか。

「それで、佐伯さんは…」

「あやめー!」

その声と同時に、背中に重いものが襲ってきた。

って、
「美里!?」

私の背中のうえで、美里はニーッと笑った。

そうだ、忘れてた!

私、美里と買い物に行く約束をしていたんだった!

「あまりにも遅いから、迎えにきちゃったんだけど♪」

「ああ、ごめん…」

謝った私に、
「あれ?」

美里が上原さんに気づいた。
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