秘密な彼氏
「ただいまー」

時刻はもう6時を過ぎていた。

家に帰ってくるなり、
「おかえりー!」

隆志に抱きしめられた。

「――ちょっ、もう…」

あまりにも強く抱きしめてくるものだから、困る。

「隆志、苦しい。

ちょっとの間離れて」

隆志に解放を求めるようにお願いしても、
「ヤだ」

この調子である。

「1日中1人だった俺の身にもなってよ」

1日中1人って、隆志は仕事だから仕方がないじゃん。

隆志のヤキモチぶりには、本当に呆れる。
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