秘密な彼氏
口を離したのが、悪かった。

「――ッ…!?」

…顔にかかった。

前髪と顔が気持ち悪いことになっている。

「ごめん、あやめがシていると思ったら気持ちよくなっちゃって…って、あやめ?」

今気づくか、ただならぬ私の雰囲気に。

「何かエローい」

隆志が私を指差して、ケラケラと笑った。

コンニャロー…!

私の中で、フツフツと怒りが込みあがってきた。

「バカッ!」

隆志に向かって大きな声で叫ぶと、私はバスルームに向かった。
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