秘密な彼氏
「…えっ?」

いきなり腕をつかまれた私は訳がわからない。

つかんでいる手は尋常じゃないくらいの強さで、あまりの痛さに顔がゆがみそうになった。

「俺…今日1日佐伯と過ごしていたら、ますます佐伯のことが好きになった!」

真剣な顔で、中里くんが告白する。

「ま、待って、中里くん…」

小さい声なので、当然中里くんの耳には入らない。

と言うよりも、どうすればいいの?

「俺、2番目でも3番目でも構わない!

佐伯のそばにいられるんだったら、何番目でもいい!」

中里くんの顔が近づいてきた瞬間、私は目をギュッと強く閉じた。

――隆志、助けて…!
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