秘密な彼氏
「テメェ、何にも知らないで手を出そうとしたのかよ!?」

すごい剣幕で怒鳴る隆志に、私の躰がビクッと震えた。

隆志、怒るとこんなにも怖いんだ…。

そう言えば、隆志の怒ったところを見るのは今日が初めてだったことを思い出した。

「す、すみません!」

中里くんは泣きそうな顔で謝った後、長い躰を2つに折った。

それから逃げるように、公園を飛び出した。

そうなると、公園に残っているのは私と隆志の2人だけになってしまった。

って言うか、私もどさくさにまぎれて逃げればよかった!

隆志の怒っている様子が、ビシビシと肌に伝わってきた。

うわーっ、私も確実に怒られるよ…。
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