秘密な彼氏
「ちょっと、起きてたの?」

そう聞いた私に、
「あやめが起きる前からね」

イタズラが成功した子供のような笑顔で、隆志が言った。

もうバカじゃないの。

いや、今はそうじゃなくて!

「私、遅刻しちゃう…!」

そう言った私に、
「ダーメ」

隆志が言い返した。

「――なっ…んっ…!」

言い返そうとする私をさえぎるように、隆志に唇をふさがれた。

「――んっ、ダメッ…」

舌が口の中に入ってきたと思ったら、なでられた。
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