秘密な彼氏
「あっ、やっ…て、テレビ!

テレビをつけてたの!

うるさかった?」

無理やりもいいところなとっさのウソである。

もう、隆志のバカッ!

ギューッと、まるで抱き枕のように私を抱きしめている隆志をにらみつける。

「何でテレビなの?」

「落ちた時にスイッチが入っちゃったみたいで…」

本当に電話でよかったと、心の底から思った。

こんな古典的過ぎるウソ、絶対ママにバレてるよ!

「ごめん!

私、これから学校だから!」

話を早く終わらせたくて、こっちから早く話を切りあげた。
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