秘密な彼氏
「あやめも気をつけてな」

パパが言った。

「わかってるって」

本当を言うなら、さっさとカミングアウトした方がいいって言う話だよね。

隆志と同棲していること、いつかは両親に打ち明けなくっちゃ。

そう思ったその時、
「あやめ?」

…一瞬、誰に名前を呼ばれたのかわからなかった。

「あやめ、知り合いか?」

パパが不思議そうな顔で私に聞いてきた。

だって、何で…?

恐る恐る、振り返った。

「こんなとこで何をやってるの?」

彼は不思議そうに首を傾げた。

ああ、隆志だ。
< 94 / 170 >

この作品をシェア

pagetop