ただ、それだけで

リョウは、サエと同じように高校で同じクラスになり仲良くなった。


気づくとサエはいつもリョウの姿を目で追っていて、「好きなんだな」っとすぐに分かった。


でも、私から聞く訳にもいかず、いつかサエが話してくれるといいなと思っていたら、私に気持ちを伝えてくれたのは、それからしばらく経った、晩秋の事だった。


でも、リョウはその時も彼女がいて、サエの片思い。


しかも、リョウはモテるヤツで彼女が途切れた事がなく、そんなリョウに奥手なサエは告白さえできないまま友達関係を続けていた。


サエが一大決心をしてリョウに告白をすると言ってきたのは、短大の1年の秋で、リョウが何人目かの彼女と別れたと聞いてすぐの事だった。


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