森のくまさん/くまside
女性は熊がついてくることに気づきました。




そして、逃げろって言ったくせになんでついてくるんだろう、と不思議に思いました。




しかし、熊は意外と走るのが早いのです。




どうせ追いつかれるのは時間の問題だと思った女性は、逃げるのをやめました。




やがて、くまさんは女性に追いつきました。




「お嬢さん。イヤリング、落としましたよ」




くまさんは女性にイヤリングを差し出しました。




なんだイヤリングか、と女性はホッとしました。




ただ、このイヤリングは私のものじゃない、と女性は思いました。




しかし、せっかくの熊の厚意を受け取らないのはいかがなものか。




熊の機嫌を損ねたくはない。
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