いつか想いが届くまで



「ちょ…直樹…どうした?」


事情を知らない生徒は驚きであいた口が塞がらないでいた。

でも直樹くんは坊主頭でもかっこいい。


「ちょっと直樹!!どうしたの!?」

「笠原、何泣きそうになってんの?」


みゆちゃんは何故か分からないけど泣いていた。
これが噂のぶりっこってやつか。
たくやの顔を見るとたくやも同じことをおもってるらしく、顔がひきつっている。

こんな事でも泣けるとは恐るべしみゆちゃん。


「でもこれで直樹くんも試合に出られるね」

「あったりめーじゃん!!
その為に髪の毛切ってきたんだから」


直樹くんは昨日の落ち込み具合とはうってかわって明るい直樹くんに戻っていた。

「あのさーもしかして、みかちゃんが直樹に髪切らせたの?」

直樹もたくやもいなくて一人で席に座っていたらみゆちゃんが急に話しかけてきた。


「それ、どういう意味?」

「みゆ、直樹くんのあの髪型好きだったのになぁ」

「……そうなんだ」


私はできるだけみゆちゃんと目を会わせないようにして適当に返事をしていた。

すると突然、みゆちゃんが私の耳に顔を近づけ


「たくやくんは私のだから」


と言った。

たくやくんは私のだからって言われても…
たくやは別に誰のものでもないし
第一たくやがみゆちゃんのものになるなんて信じられない
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