なんと知的な口説き方をするのか!
◇
ぎぃ、と重い扉を開く。
外の風が、吹き付ける。冷たい。
「あ、いた。」
扉を開けた先に、すぐに目的の人物を見つける。
「めがねくん」
呼べば、振り返る。
ああ、やっぱり。
「めがねちゃん」
ぱたぱたと小走りで、屋上の柵によりかかっている彼の元へ駆け寄る。
「もう寒いね」
「そうだね、」
私より20センチくらい背の高いめがねくんは、柔らかく笑って私に返す。
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