大切な君へ





そして次の日。

今日は、寝坊をすることなく、ちゃんとゆっくりと学校にくることができた。

教室のなかにはすでに佳奈美がいた。


「佳奈美、おはよ!!」

「あ、唯、おはよ!!

今日は、ちゃんときたじゃん」

「うん」


あれ?!

あの人、零くん…

まさかのおんなじクラスだったの?!

きのう、言ってくれればよかったのに…


「あ、唯、零くんのこと知ってるの?」

「え、まぁ」


知ってるもなにも、わたしの婚約者ですから。


「零くん、まだ、きのう入学したばかりなのに、もうファンクラブがあるみたい」


え、まじ?

やっぱりもてるじゃん

わたしなんかと結婚したっていい事なんかないのに…


「唯?」


あ、またボケっとしてた…


「ごめん

どうかした?」

「ちゃんと、話聞いてよね」

「ごめん!!

で、なんの話?」

「唯が男の人に興味を持つなんて珍しいってこと」

「あ、まぁ、ちょっとね」

「まぁいいや」


ちょっとね…

まだ佳奈美にもいうことはできないなぁ…




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