大切な君へ
「佳奈美~」
「あ、唯どうだった?」
「うん、バッチリ!!
なんだけどさぁ…」
「ん?どうした?」
「何か、どこの中学出身?
って聞かれて、東中って答えたら、めっちゃ、おどかれたんだよ…
どういうこと?」
佳奈美は、一瞬考えるようなそぶりを見せたけど、すぐに、わかったような顔をした。
「唯、それは、あんたが有名だからだよ」
「ん?なんで?
わたし、有名なんかじゃないよ?」
何か、悪いことでもしたっけ?
私が、有名な理由なんてないけど…?
「唯は、サックスが上手って、中学の頃から有名だったの!!」
「へ?」
私、そんな有名なほどサックス上手じゃないよ?
みんな勘違いしてるんじゃない?