大切な君へ
[4]過去
side零
今日から、いっしょに住むことになった俺たち。
あいつは覚えていないらしいが、中学になるまで、よく遊んでいた。
中学は、離れてしまったが、隣の中学だったため、あいつの噂は、俺の耳にも入ってきていた。
あいつは自覚していないが、美人だ。
加えて、サックスが上手らしい。
昔からなんでも軽々とこなしてきたあいつには弱点が一つだけある。
それは…人よりも体が弱いこと。
体力がないんだ。
これもまたあいつは自覚していない。
だから、ほっといてひどくなってしまったことがある。