大切な君へ





一番ひどかったのは、体育でマラソンをしていた時だ。

体力がないのに、無理して最後まで走ったからだ。

その時は、喘息の発作を起こし、救急車を呼ぶはめになってしまった。

それでもあいつは、自覚をしない。

それはそれですごいと思うんだけどな。

とにかく、唯のお母さんが俺たちをいっしょに住ませたのは、俺があいつの体をあいつよりもわかっているからだと思う。

このことは、あまりほかの人は知らない。

あいつが人の前では我慢をするからだ。

だから悪化するんだけど…

中学の時にも、家に帰ってきてから、体調を崩すことが多かったそうだ。






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