大切な君へ
角を曲がり、礼央たちが見えなくなると、唯は倒れそうなくらいふらついた。
「おっと…」
地面につく寸前で、こいつを抱きとめた。
身体が熱い…
こりゃ、相当我慢してたな…
もっと、早く気づいてあげればよかったな…
「唯、いつから調子悪い?」
「お昼…」
「そっか…」
昼か…
保健室に行けばよかったのに…
なんで、我慢するかな~
少しは、自分の身体を理解すればいいのに…
家について、熱を測って見ると、38℃0
はぁっ…
よくこんなに熱があるのに、歩けたなぁ…
まぁ、それが、こいつの意地なんだろうけど…
あんまり無理をして欲しくないのが俺の本音。
本当のことを言うと、部活にも入って欲しくなかった。
さすがに、そこまで言うと、唯におこられる
俺は、唯のことになるとかなりのしんぱいしょうらしい
どうしようもないんだけど…
「めし、なんか食うか?」
「…いらない」
「じゃ、薬のめ」
「寝る‼」
あ、逃げた…
あいつの薬嫌いは、まだ健在かぁ…
困ったなぁ…