ようちゃんのばか

 寒気のするほど優

 しい声。

 「それもあなたが

 生きのびられなけ

 れば、できないこ

 とだけれどね」

 彼女は赤子の額に

 キスするように身

 をかがめる。

 「いいこと教えて

 おいてあげる」

 女の口端がつりあ

 がる。

 「ここに生まれた

 のは、あなたと同

 じような経験をし

た人ばかりなのよ」

 赤子はぴくりと頬

 をひきつらせた。

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