幻想館-眠り姫編-
塔の最上階に続く階段や壁は、長い間閉ざされていた為にカビや苔が張り付いていました。
お姫様は右手で鼻と口を軽く押さえながら、上がって行きます。
時折、小窓から小鳥たちの鳴き声が聞こえてきます。
湿った空気が辺りに広がっていましたが臆する事なく登って行きました。
私はその間、何故か息を潜めて見ていました。
私があの校舎に向かった訳・・・・・・。
それは自分の胸の内にしまっておくべきだと思った。
その方が誰も傷つかなくていいから・・・
それで・・・おしまい。
やがて、お姫様は最上階へとたどり着きました。
広いフロアにポツンとひとり、誰かが座っています。
「あの・・・あなたは・・・・?」
「ずっと待っておったよ」
「えっ・・・この塔の中で?」
「そうだよ、約束の15年だからね」
「約束?」
魔女は穏やかな表情でいた。
「私は森に住む、魔法使いのひとりなんだよ。森を愛し、人間達と共存する事によって、この国も守られているのさ」
お姫様は不思議そうに話を聞いていました。
「何故、私を待っていたのですか?」
「そなたが美しく成長していく姿を、王や王女の心に焼き付かせたかったのさ」
お姫様は右手で鼻と口を軽く押さえながら、上がって行きます。
時折、小窓から小鳥たちの鳴き声が聞こえてきます。
湿った空気が辺りに広がっていましたが臆する事なく登って行きました。
私はその間、何故か息を潜めて見ていました。
私があの校舎に向かった訳・・・・・・。
それは自分の胸の内にしまっておくべきだと思った。
その方が誰も傷つかなくていいから・・・
それで・・・おしまい。
やがて、お姫様は最上階へとたどり着きました。
広いフロアにポツンとひとり、誰かが座っています。
「あの・・・あなたは・・・・?」
「ずっと待っておったよ」
「えっ・・・この塔の中で?」
「そうだよ、約束の15年だからね」
「約束?」
魔女は穏やかな表情でいた。
「私は森に住む、魔法使いのひとりなんだよ。森を愛し、人間達と共存する事によって、この国も守られているのさ」
お姫様は不思議そうに話を聞いていました。
「何故、私を待っていたのですか?」
「そなたが美しく成長していく姿を、王や王女の心に焼き付かせたかったのさ」