幻想館-眠り姫編-
空はあんなに穏やかに澄みきっているのに・・・・・・。


私の心は暗雲が立ち込めていた。


ここ何年かの内に私の周りは変わってしまった。


それでも両親の死から、姉と二人で何とか乗り切ってこられた。


でも今は・・・・・・

私が頑張るしかなかった。


病院の前で一つ大きく深呼吸した。
自分を冷静にする為に。



病院の中に入ると、ロビーに如月さんが待っていた。


「おはよう、夕べは大丈夫だった?」


「はい、ご心配かけてすみません」


「そう、でも困った事があれば遠慮なく言って下さい」


如月さんは警察官というイメージには思えないほど、優しい表情で接してくれる

「今、お姉さんの件は遺書なども見つかっていないので、事故と自殺そして第三者によるものか、それぞれの面で調べています」


「自宅にも警察は来ますか?」


「午後、伺います」


「如月さんも・・・ですか?」


「ええ、僕の担当ですから」


私は少しホッとした

如月さんといると何だか心が安らぐっていうのかな・・・?

私ったら何考えてるんだろう・・・・・・


「では、病室に行きましょう」


如月さんは私の肩をポンとたたいて、笑顔をくれた。

でも、姉の眠っている病室の前に来た途端、急に緊張感が走った。
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