幻想館-眠り姫編-
昨日と様子は変わりない。

ベッドのそばには医療機械が並び、姉は眠っている。


声をかければ目を覚ましそうな感じだ。


実際、姉のこんな姿を目の当たりにして中学生の私には、荷が重すぎる。


「お姉ちゃん・・・」


言葉が出ない。



如月さんもベッドの近くにより、意識の戻らない姉の様子を伺っていた。


「如月さん、姉の事でクラスメートから妙な話を聞いたんですが・・・」


私はさっき、病院に来る前の出来事を話した。


如月さんは、メモを取りながら聞いている。


「放課後、また会う事になっているんです」

「そう・・・学生達にはまだ接触していないので、生徒の中にはショックを受けている子もいるという考えで、学校サイドから伝達があってね」


「私は絶対に突き止めてみます。
姉は自殺ではなかったという証拠を・・・・・・・」


私の堅い意志を察してか、如月さんはそれ以上は言わなかった。



しばらくして病室を出た。



そして如月さんの車で一緒に、一旦自宅に戻った。


外には他の警察官も待機していた。

「ご苦労様です」


車から降りると、鍵を開けて中に入った

「どうぞ、姉の部屋はこの奥です」


指差した部屋に如月さんは入っていった
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