幻想館-眠り姫編-
私は姉の部屋の入り口で、その様子を伺っていた。


私も姉の部屋には入った事がない。

中はきちんと整理されていたが、机の上は読みかけの雑誌のあるページに折り目がつけられてあった

如月さんは一通り見た後、部屋から出て来た。


「あの何かわかりましたか?」


「ええ、お姉さんが飛び下りたのは自分の意志ではなかったという事です」


私はその言葉を聞いてホッとしたのか、急に全身の力が抜けていった。


くらっとめまいがした。


・・・お姉ちゃん・・・


「大丈夫かい?」


如月さんが私の体を支えてくれた。


「これから、お姉さんのクラスメートに会うんだったね。
少し休んだ方がいいですよ」


私は思わず、しがみついてしまった。


「できれば、僕もクラスメートの話を伺いたいので一緒に行きますよ」


・・・如月さんは私の事を心配しているの・・・・?
それとも・・・仕事だから・・・?


お姉ちゃんが苦しんでいる時に、何か不謹慎だよね・・・絶対・・・・・・



でもやっぱり、如月さんがそばにいると心強いと思った。



やがて他の警察官は帰っていった。


私は如月さんをリビングに通し、コーヒーを出した。

「部屋のカレンダーには色々と予定が書いてありましたね」


私はコクンと頷いた
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