幻想館-眠り姫編-
約束の時間になった姉の通っていた高校に向かう。


少しの間、二人が出てくるのを待っていると、一台の車が止まった。

ドアが開く。


「やあ、先ほどはどうもありがとう」

私の表情が変わる。


「校長から許可が出て、本格的に聞き込み捜査に入る事になったんだよ」


「じゃあ、私はついていたらまずいですよね」


「そうですね・・・後は警察に任せて下さい」


・・・ちょっとガッカリ・・・でも仕方ないよね・・・・・・



如月さんは捜査に行ってしまった。


またひとりになってしまった。


校舎から次々と生徒が出て来た。


そして・・・あの二人もこちらに向かって来た。


「おまたせー!」


「ここじゃちょっとまずいから場所変えない?」


私は頷いた。


高校近くの喫茶店に入った。


「バイト代が入ったからおごってあげるよ」


「じゃあ私も!」

「カナエは自分で払いなさい!」

「ヘイヘイ・・・」


フフッ・・・面白い人達!



「さてと本題に入ろうか・・・何か聞きたい事はある?」


そう、聞いてみたい事は山ほどあった。


だってお姉ちゃんの学校生活なんて、全く知らなかったから

・・・と言うより、お姉ちゃんは話したがらなかったと言うのが正解かな?


お姉ちゃんの本来の姿は、どちらが本当なのか・・・


その真実は次第に明らかになっていく。
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