幻想館-眠り姫編-

旋律

「これから『眠り姫』を見せてあげましょう」



眠り姫・・・


小さい頃、母に読んでもらった童話。



「さあ、始まりますよ」


映写機が回り、正面のスクリーンに映像が映し出された。



古ぼけた映像が、私には妙に新鮮に見える。


<ある国の城>



昔、昔・・・


ある国のお城に

王様と王女様がいました。


幸せそうに暮らしていましたが、二人には長年、子供がいませんでした。



それでも周りの家臣達は、温かく見守っていました。



それから年月は流れ王様と王女様に待望の子供が授かりました。



さあ、国中を挙げてのお祝いが始まりました。


祝砲が鳴り、たくさんの人たちが駆けつけました。



その中には、森に住んでいる魔法使い達もいました。


魔法使いには男も女もいて、彼ら達は代々王家を見守っていました。



魔法使い達は、それぞれお祝いの言葉を述べました。



「おめでとうございます。
きっと素敵な笑顔の持ち主になるでしょう」



あっ!

この魔法使い、クラスメートの佐々木君にそっくりだわ!


他の魔法使いも、みんな知ってる人ばかり・・・


どういう事?



招待された魔法使い達は、全部で12人



いえ実は、もう一人いたのです。
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