幻想館-眠り姫編-

傷心

彼女達の話は、私にとって初めて耳にする姉の二面性を垣間見たようだった。


「本当にこんな話で気を悪くしないでね」


「いえ、ありがとうございました」


私は二人に会釈をして店を出た。

そして、その足でまた高校に向かった。


校門の中の駐車場には、まだ如月さんの車が置いてあった。


グランドでは部活をやっている生徒が見えた。

その様子をじっと見つめていた私は、ふいに声をかけられた

後ろを振り向くと、何人かの男子生徒が立っている。


「あの・・・何か?」


「急に声をかけてわりいな・・・君、マキの妹だよね」

「はい、あなた達は?」

「俺達はマキの親衛隊及び生徒会のメンバーなんだ」


ふーん・・・まあ確かに三人ともイケてるけど・・・・・・なんか軽そう・・・



「マキさんの様子はどうなってるのか聞きたくて」


「姉はまだ意識が・・・」


「そうか・・・俺達で良ければ力になるよ」


その言葉を待っていた。

今は一つでも多くの情報を入手したかった。


彼らは生徒会のメンバー、姉に関する事やその取り巻き達の氏名を聞き出せる。

私は彼らに全面的に協力してもらう事にした。


そうすれば、姉を死に追いやった人物が早く見つかるかもしれない・・・。







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