幻想館-眠り姫編-
そう、確かに如月さんの言う通りだ。

でもそれじゃあ何だか割り切れない事もあるような気がする

静まり返った病院の廊下。


私はじっと彼の顔を見つめた。



すると如月さんは、側に寄ってきて私を抱きしめた。



心臓がドキドキし始めた。


「悲しい思いをさせてすみません」


えっ!

何かこの展開、不思議な感覚・・・・・・


でも、すごく恥ずかしい・・・


「あの・・・大丈夫ですから」


やっぱり中学生にはちょっと刺激的な感じ・・・


如月さんて・・・やっぱり不思議な人・・・


「お姉さんはきっと意識を取り戻すと信じていますよ」


その言葉で少しは救われると思った。


如月さんなら奇跡を起こしてくれそうな感じがする。



「さっき、お姉ちゃんの病室にいましたよね」


「いや、病院には着いたばかりで君に初めて会ったんだが・・・」

・・・じゃあ、私が見た如月さんは一体、誰だったの?


それにあの銀色の長い髪・・・


何だか頭の中が混乱してきそう!


「どうかしましたか?」

「いえ・・・でも世の中には不思議な事もあるんだなあって・・・」

「・・・・・・?」


如月さんはキョトンとした表情で私を見ていた。


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