幻想館-眠り姫編-

岐路

ドアを開ける。


これで何度目だろうか・・・誰も待っていない家に入るのは。


部屋の中は、お姉ちゃんの笑い声が聞こえてきそうな錯覚になる。


お姉ちゃんは<眠り姫>のように時を止めたままだ。



早くその眠りから、意識を覚ましてあげなくては・・・・・・

鞄の中から、先程預かった写真をテーブルの上に広げてみた


一枚目の写真


二枚目の写真


三枚目の写真

四枚目の写真


共通している事を見つけなければ・・・


お姉ちゃんを囲む取り巻きの生徒達。


一人一人の生徒表情をチェックする。



答えはこの中に必ずあるはず!



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・んっ!


思わず、私の目に止まった生徒が・・・・・・

それは本当に四、五日前に撮られた写真だった。


全ての写真を見比べて、わかった事。

それはひとりの生徒の立ち位置だった。


一年前は姉の真横に並んで笑っていた。


それから半年前・・・・まだ横にはいたが・・微妙に顔がそむけられていて、その表情は笑顔ではなかった

・・・そして二か月前、姉の隣から、その生徒は居なくなった。

端の方で・・・今度はじっと姉の方へ顔を向けて・・・・・・その表情は妬むような感じにさえ思えた。
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