幻想館-眠り姫編-
親友と瓜二つの彼女は、私の方を見つめながら、色々と不満をはく。


八方美人だとか、


無神経な振る舞い、


男性の前だと性格が変わるとか・・・



余りに酷すぎはしないだろうか?


あの時もそうだった・・・


私は画面の中の彼女に、いつの間にか怒りを感じていた。



これが彼女の本音なの?



嘘、違うに決まってる



みんな私に優しく接してくれた・・・・・・

・・・・・・いつだって


私は唇をギュッと噛んだ。



そんな私を見つめる館長さんの瞳。



銀色の長い髪が、風もないのにサラサラ靡いていた。



不思議な微笑み。



私は本当の私を見られたくなくて、表情を緩めた。


良く・・・・・・見られたいから・・・・?



「あなたの本当の顔は、どれですか?」



「本当の顔?
すみません、言ってる意味がわからないんですけど」


「みんな誰しも、色々な顔を持っています
でも、最終的には本来の自分の顔に帰るものです。

あなたは、どうでしょうか?


理解・・・・・・出来なかった。



私は私。


他に何だと言うの。



どうして・・・・・・?



「それは、あなた自身が探さなくてはなりません。」


どうして、架空の御伽噺に振り回されなければいけないの


・・・もう終わった筈でしょう・・・



私に・・・

私に何か問題があるのですか?



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