バスケより一番に
嫉妬
~春弥side~
「……水沢先輩…」
呼び止めても走って逃げてしまった。
「ハハッ、可哀想に」
俺は隣で笑う優真のお腹を殴った。
「黙れよ」
「いてて、ごめんごめん。そんな怒るなって」
「別に怒ってなんかねーよ」
だけどさっきから無性にイライラする。
「いや、怒ってるだろ」
「それよりさっきの話って本当か?」
「水沢先輩が俺の腕を掴んだやつ?」
その言葉が頭から離れなかった。
「もしかして気になってたのか?」
「はっ!?
ただ本当か聞いてみただけだよ」
こいつに聞くのが間違いだった。
「もういいや。
先に行く」
「あれ本当だぜ」